01
レジスタントスターチって何?
レジスタントスターチ(RS)は、小腸で消化されにくく、大腸まで届くでんぷんです。 食物繊維に似た性質を持ち、加熱したでんぷん質の食品を冷やすことで増える「RS3(老化でんぷん)」があります。
“冷やす=でんぷんがなくなる、ではない。
「一部の形が変わる」が近い。
さつまいものでんぷんは加熱すると水を含んで糊化し、消化されやすい状態になります。 その後に冷却すると、でんぷんの一部が再び規則的な構造に戻る「老化」が起こり、 消化酵素が作用しにくいレジスタントスターチになることがあります。
02
さつまいもも、
冷やすとRSは増える?
日本家政学会で報告された「なると金時」を使った研究では、 茹で・蒸し・焼きの3つの調理法について、調理直後、24時間冷蔵後、再加熱後のRS量が調べられています。
なると金時・焼き
| 調理法 | 調理直後 | 24時間冷蔵 | 再加熱 |
|---|---|---|---|
| 茹で | 6.17% | 7.32% | 7.16% |
| 蒸し | 5.45% | 6.27% | 5.78% |
| 焼き | 3.06% | 3.51% | 3.06% |
この実験では、3つの調理法すべてで冷蔵後の数値が調理直後より高くなりました。 一方で、統計的に有意な増加が報告されたのは茹でと蒸しで、焼き芋について「冷やせば必ず大きくRSが増える」とまでは言えません。 品種や加熱条件、冷却時間などによって結果は変わると考えられます。
※上記は「なると金時」を一定条件で調理した一研究の結果です。すべての焼き芋で同じ数値になるわけではありません。
03
じゃあ、冷やし焼き芋は
ダイエット向き?
レジスタントスターチは消化されにくい性質があり、研究では食後の血糖やインスリン反応との関係も調べられています。 じゃがいもを使ったヒト試験では、冷やしたじゃがいもで食後早期の血糖値やインスリン値が低くなった例もあります。
「冷やす」は
ひとつの選択肢。
RSの変化は期待できる。でも、それだけで減量効果が決まるわけではありません。
“冷やせば太らない”
ではない。
1日の摂取エネルギー、食べる量、食事全体のバランスは別で考える必要があります。
04
冷やし焼き芋にするなら、
どう食べる?
まずは普通に焼く
いつもの焼き芋でOK。特別な調理器具は必要ありません。
粗熱をとる
熱いままではなく、少し冷ましてから冷蔵へ。
冷蔵庫でしっかり冷やす
研究では24時間冷蔵したさつまいもが使われています。
冷たい焼き芋は甘さや食感の感じ方も温かい状態とは変わります。 「ダイエットのために絶対冷やさなきゃ」と考える必要はなく、 温かい焼き芋と冷やし焼き芋を、好みや食べる場面で選ぶくらいでOKです。
05
SO, WHAT'S THE ANSWER?
冷やすのはアリ。
でも“魔法”ではない。
焼き芋を冷やすと、でんぷんの一部がレジスタントスターチに変化する可能性があります。 さつまいもの研究でも、24時間冷蔵後にRS量が高くなった例があります。
ただし、焼き芋での増加量や効果は条件によって異なり、「冷やせば必ず痩せる」とは言えません。 ダイエット中も、冷やすことだけに頼らず、食べる量と食事全体のバランスを意識して楽しみましょう。
参考資料
日本家政学会研究発表要旨集「さつまいもの加熱調理直後、冷蔵保存及び再加熱によるレジスタントスターチ量の変化」
PubMed掲載レビュー「Harnessing the power of resistant starch: a narrative review of its health impact and processing challenges」ほか、レジスタントスターチと調理・冷却に関する研究を参照しています。
※本記事は一般的な食品・栄養情報を紹介するもので、特定の疾病の予防・治療や減量効果を保証するものではありません。